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1 『ブラジル日本移民百年史』 −全5巻 4分冊 
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桜井 敏浩 2013-10-26 18:18  [返信] [編集]

  第一巻 農業編 、第二巻 産業編、第三巻 生活と文化編(1)、第四巻 生活と文化編・第五巻 総論・社会史編
 
 日系社会有識者100余人により取りまとめられた、105年間の歴史、体験を後世に伝える総合的な移民全史。
 「農業編」は、コーヒー経済勃興と鉄道建設の進展に日本人移民の渡航が始まった戦前、国策移民政策として送り込まれた戦後移民の始まりと終焉の間の移民会社、農業協同組合の設立、セラード農業開発、サンフランシスコ川流域開発プロジェクトへの参画に至る歴史、日系人が多大な貢献をした農林牧業生産品とその生産地別の功績、地域別農業者の紹介と現状を詳細に記述し、最後にブラジルの農業研究・技術部門への日本人の貢献を述べている。
 「産業編」は、商工活動の先駆者たち、海外移住組合法とブラジル拓殖組合、日系銀行等の盛衰、日本からの進出企業史とナショナル・プロジェクト、日本企業16社の興亡、日本からみた事業地としてのブラジル、ブラジルから見た日本ブラジル関係など、今後の日本産業界のブラジルとの付き合い方についての示唆に富んだ解説と実例集になっている。
 「生活と文化編(1)」は本誌2011年夏号で紹介した( http://www.latin-america.jp 「掲示板」→「図書案内」に収録。
http://www.latin-america.jp/modules/bluesbb/thread.php?thr=331&sty=1&num=l50#p347 )。
 「生活と文化編(2)」は、笠戸丸以来の移民が持ち込み、育んできた日本の俗謡、演劇、芸能からクラシック、ポピュラー音楽、邦楽、それに茶道やカラオケほかの娯楽、多くの移民を擁する沖縄芸能、さらにスポーツや舞踊、映画、美術などの芸術、さらに日本人移民の各派宗教、雑誌・新聞等の出版に至るまで、幅広く論じている。これと合本で出された最後の取りまとめというべき「総論・社会史編」は、ブラジル日本移民の位置と意義をあらためて問う移民史概観、戦前・戦後の保健衛生・福祉・慈善活動の歴史と現状を詳しく述べている。終章は交流史で、日本への就労者(デカセギ)の増大にともなう日系社会の文化、両国民間の交流などから百周年の交流の中で日本人が伝えてきたこと、日本におけるこれからの日本・ブラジル交流を論じ、地図・年表・索引などの資料を付している。
 ブラジル日本人移住史と日系社会について、日本語でこれだけの内容を総合的に網羅、集成した刊行物は、恐らく今後二度と纏められないだろうと思われ、日本でブラジル移民史に関心ある研究機関や公共図書館で是非揃えて欲しい貴重な労作である。

 (ブラジル日本移民百周年記念協会、ブラジル日本移民百周年史編纂・刊行委員会編 
  第一巻 農業編 トッパン・プレス 2012年12月724頁、
  第二巻 産業編 トッパン・プレス 2013年1月 498頁、
  第三巻 生活と文化編(1) 風響社 2010年10月 638頁、
  第四巻 生活と文化編(2) 648頁・第五巻 総論・社会史編 206頁 トッパン・プレス 2013年3月

 日本ブラジル中央協会では全巻4冊セットを送料込み32,000円で受託販売を行っているので、入手ご希望の方は同協会事務局へ http://nipo-brasil.org/siryou.htm )。
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